田峰観音について

田峰観音に伝わる霊験伝説と奉納歌舞伎

三河三観音のひとつと呼ばれる当院『田峰観音高勝寺』は、田峯城の守護のため創建されました。

田楽は大輪村堂貝津薬師堂(現・新城市愛郷大輪)に奉納されていたものを、永禄二年(1559)に田峯城主・菅沼定忠が移したといわれています。
毎年2月になると境内の芝居小屋で、約360年もの歴史のある奉納歌舞伎が行われます。

 この奉納歌舞伎は、焼失した日光寺再建時の徳川幕府御用林無断伐採が発覚し、重罪を恐れた住民らが観音様に「祭りには必ず芝居を奉納しますので助けてほしい」と願ったところ、代官が訪れた日に大雪が降って御用林山に入れず、罪人を出さなかったという言い伝えにより始まりました。

田峰の霊験伝説

徳川家三代目将軍 家光の頃、
焼失した田峯日光寺再建のため、
村人たちは天領と知らず、段戸山に入り木を伐った。

これを耳にした御油赤坂の代官烏山牛之助が
旧暦六月に実地検分にやってくることになり、
恐れた村人たちは
「助けてくれたら村が三軒になるまで
歌舞伎を奉納します」
と願をかけた。

すると検分の当日、
旧暦六月の土用というのに雪が降り、
代官たちは引き返し、罪人が出ることはなかった。

村人は約束を守り、それから毎年欠かすことなく
田峰観音の大祭には歌舞伎を奉納するようになった。

寺院概要

所在地
〒441-2221 愛知県北設楽郡設楽町田峯鍛治沢14
TEL
0536-64-5028
FAX
0536-64-5028
山号
谷髙山
本尊
松芽観世音菩薩
十一面観世音菩薩
創建年
1470年
開基
菅沼定信(田峯菅沼氏)
札所等
三河三観音
奥三河七観音
文化財

田峯田楽(国の重要無形民俗文化財)
田峰観音の舞台(愛知県指定有形民俗文化財)
梵鐘(設楽町指定有形民俗文化財)

境内案内

本堂

本尊『十二面観世音菩薩』
田楽祭(2月) 御開帳の様子

梵鐘(設楽町指定有形民俗文化財)

田峰観音の舞台(愛知県指定有形文化財)

額堂

額堂天井

田峰観音の歴史

三河国北設楽郡設楽町の『田峰観音』は、豊川稲荷(鳳来寺薬師)に次ぐ古刹です。
岡崎市の渭信寺『衣文観音』、豊橋市の東観音寺『小松原観音』と共に三河三観音と称されています。

本尊の一つである『秘仏松芽観音』は慶雲2年(705)3月17日に宝飯郡行明(現在の豊川市)の里からこの土地に勧請されたと伝えられています。

その後嘉吉年中(1440ごろ)より領主菅沼氏の願いにより、康正2年丙子(1456)に伊賀守定成は鰐口を奉納。

その子三郎左衛門貞吉は、文明2年庚寅(1470)に田峯城(蛇頭城)を築城。
城の鎮護のため堂宇を建立しました。
堂宇を高勝寺と称し、松芽観音を安置し、尚京都より本尊『十一面観音』を勧請合祀しました。
本尊は高さ四尺余の金箔の座像で、本尊腹部には御腹籠りと称して火除けの御神像が安置されています。

明治6年(1873)の廃仏毀釈の布令により高勝寺は廃寺となり、大悲閣観音堂と称し日光寺の境外仏堂として管理されていました。

昭和17年(1942)には宗教団体法発布により独立。
段嶺村(信徒総代)の経営となり、再び高勝寺と称するに至りました。

略年表(※敬称略)

慶雲2年
3月17日 秘仏松芽観音、宝飯郡行明の里より当地に勧請されたと伝えられる。
康正2年丙子
伊賀守定成は鰐口を奉納。
文明2年庚寅
菅沼定成の子三郎左衛門貞吉、田峯城(蛇頭城)を築城。
城鎮護のため堂宇を建立、高勝寺と称し、松芽観音を安置し、尚京都より本尊十一面観音を勧請合祀した。
文明13年
田峯城主菅沼三郎左衛門貞吉が父親定成菩提の為に梵鐘を寄進。
この梵鐘は現在、袈裟輪及び鍾座に当時の面影を残す古色蒼然とした物として設楽町の文化財指定を受け、本堂回廊に保存されている。
寛永4年
地元の小野田長兵衛発起により堂宇を改修。
万治元年
奥堂を増築。
延宝3年
御宝殿を改造。
宝永3年
拝殿を増築。
明治初年
御前立十一面観音を日光寺円丈和尚が豊川妙厳寺より勧請。
明治6年
布令により高勝寺は廃寺。大悲閣観音堂と称し日光寺の境外仏堂として管理される。
明治15年
本堂拝殿の大修理。
明治35年
庫裡を増築。
大正7年
地元及び一般信者に寄進を仰ぎ額堂を建築し、心願成就の為奉納された各種の額を掲げると共に、田楽の舞堂として併用している。
昭和8年
信者の寄付を乞い、奥殿を一段奥に移し御宝前の拡張を行い、田楽祭及び大祈祷の便を計り、同時に屋根の大修理も行った。
昭和17年
宗教団体法発布により独立、村(信徒総代)の経営となり高勝寺と称するに至る。
昭和32年
総代発起で信者に寄付を願い、参道を拡張し石畳とした。
昭和34年
観音講を創立。地元の協力で休憩接待所を建て、奉仕者室を増築し、大祭・月例祭の利便性が計られた。
昭和36年
大阪市の夏山定三氏が厨子を寄進された。
昭和49年
総代発起で信者に寄進を願い、鐘楼を建設。
昭和55年
信者の願望による総代発起で信者の寄付を乞い、本堂の屋根変え及び観音事務所の改築を行った。
平成3年
3月31日 境内下の大駐車場が完成。
平成13年
12月10日 本堂・奥殿・事務所控室など大増改築に着手。平成15年1月31日に完成。
平成17年
月23日 文明13年に田峯城主菅沼三郎左衛門貞吉が父親定成菩提の為に寄進した梵鐘破損を危惧し名古屋市の加藤豊一・すみ子夫妻が梵鐘を寄進された。現在鐘楼にある梵鐘はこちらのもの。
平成20年
8月19日 庫裡改築工事に着手、平成20年1月15日完成。

〒441-2221 愛知県北設楽郡設楽町田峯字鍛冶沢14
駐車場 70台あり(田峯特産物直売所併設) 

TEL. 0536-64-5028

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